Heaven's Door
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放課後の学生会室。通例のごとく主のいない部屋で、副会長、中嶋はパソコンの画面を睨みつけていた。
普段ならまずすることのない険しい表情だった。
「…。」
「おい、ヒデ!聞いたか!」
ドアがたてるにしては非常識な音と共に、部屋の主が入ってきた。
それを尻目に、中嶋はゆっくりと立ち上がる。
「ヒデ?]
「北野を呼ぶぞ。哲也。」
相棒の様子と、その冷えた声音に丹羽は驚いた。
だが次の瞬間にはそれどころではないと反発する顔になった。
「何か知らねえけど、北野なんか今はいい! また啓太が…!」
「…っ…。」
啓太の名が耳に入った瞬間、中嶋は目を見開いた。
そして一言、言った。
「北野を呼べ。すぐだ。」
振り向いた中島の眼は真剣そのものだった。
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「こんにちは。」
そのころ、啓太は会計室を再び訪れていた。
「おや伊藤君。」
「啓太、どうした。」
会計室の二人は啓太の姿を目にして表情を緩ませた。
しかし先ほど退室したばかりなのに…と、少し疑問にも思った。
それに、先ほどにはいたもう一人の人間がいない。
「北野君はもう一緒じゃないんですが?」
「それが…。」
啓太はよく分からないが、と前置きをしていった。
「冬紀…ちょっと用事ができたから、会計室で待ってろって。
そこから動かないように言われたんですけど…。」
「北野君が?」
啓太の言葉に、西園寺が反応し立ち上がった。
「啓太…お前、何か危険な目に逢わなかったか?」
「郁?」
「え…?」
すると啓太は驚きながら答えた。
「はい…さっき、テニスボールが飛んできて。
冬紀がたまたま押してくれたから、何もなかったんですが。」
「…!」
西園寺はさらに顔色を変えた。
「郁?どうしたんです?」
相棒の表情の変化に七条も表情を変える。
西園寺は恐ろしいほどの剣幕で啓太に詰め寄った。
「啓太。怪我はなかったんだな?」
「は、はい!」
「そうか。ならいい。
臣!」
「はい。」
「私がここに戻るまで啓太をここから出すな。いいな?」
「え…西園寺さん?」
「それは承知しましたが、郁、あなたはどこに?」
緊急事態なことは察した七条だが、それ以上のことは啓太と同様まったく分からない。
その状態でこの(運動神経のみ欠損の疑いのある)相棒が行動することは危険にならないのか。
その疑問を口にすると西園寺は答えた。
「私は心配ない。啓太を頼むぞ。」
「西園寺さん?!」
バタン、と西園寺はめずらしく音をたてて会計室を出た。
次の瞬間、校内放送が響いた。
『1年北野冬紀。至急学生会室へ来い。』
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ちょうど同じころ。
和希は啓太を探し、テニスコートの近くまで来ていた。
そして、おそらく啓太の情報なら見ていたら確実に逃さない男に声をかけた。
「成瀬さん!ちょっといいですか?!」
その声を、どうやら聞き逃さないでくれたようで、成瀬はすぐに振り向いた。
「遠藤…。」
振り向いた成瀬は、見たことのない影のある表情をしていた。
だが気にしてはいられなかった。
ゆっくりと寄ってきた成瀬が近づく前に質問をした。
「啓太を知りませんか?北野…転入生の北野と一緒なはずなんですけど。」
「…ああ、さっき来たよ。
遠藤。こちらも聞きたいんだけど。」
さっき来た、ということは今はいないのか。
では、と、どこに行ったかと聞きなおす前に成瀬は質問を返してきた。
「君は知ってるのか?北野は何者なんだ?
啓太は…狙われてるのか?」
「…!」
「どういうことです。成瀬さん。」
そしてその時、会計室で啓太が聞いたのと同じ校内放送が二人の耳に入った。
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「……ああもう、情報流れるの早すぎるよ…。」
一人呟いた冬紀は、理事長室へ向けていた足を学生会室の方向へと向けた。
To be Continued…
ファイルが見つかったので何年振りかで続編書いてみました。
久しぶりの学園ヘヴンです。
いやー久々に書いてみると…改めて結構濃いわ。ヘヴンのキャラ。
やっぱり今考えても七条君が一番好きかな。
古泉君にも言えますが、好きなんですよねー。完璧に見えてどっか欠けた美形vv
はじめた連載数多く…;;一応まだどれもリタイアしたつもりはない青沢でした。
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